京都料理芽生会とは

令和7.8年度 会長所信 京料理を世界へ ~Global Standard~

20年4月7日新型コロナウィルス感染症による緊急事態宣言が発出されてからの数年間、我々京料理業界は壊滅的な打撃を受けました。
しかし我々は、あらゆる困難に立ち向かい京料理の伝統を受け継ぐ不屈の精神を元に見事に乗り切ることができました。そして同時に、全国芽生会連合会での合言葉でもある「熱き友情=絆」を更に深める事ができ、この結果、会員一同の強い団結の元に、第70回全国芽生会連合会京都大会を無事に成功に収めることができたと思われます。

大きく世の中が変化した現在において我々の業界を改めて見つめ直すと、「京料理」そのものは、京都料理芽生会の諸先輩方が代々「会員相互の料理の研鑽と親睦を図る事」を目的として事業を実施してきており、また2023年に国の登録無形文化財に登録されたこともあり、すでに世界基準(Global Standard)に達していると見受けられます。

京都料理芽生会 
会長 佐竹洋治

しかしながら、アフターコロナの世の中になり、様々な障壁を乗り越えるためにも「会員相互の料理の研鑽と親睦を図る事」を土台にして「新たな挑戦」を実践していかなくてはいけない時代になっていると思われます。これらの更なるGlobal Standardにするための具体的な取り組みとして、今年度は京都料理芽生会創立70周年という節目の年でもありますので、京都料理芽生会・創立70周年記念事業実行委員会を立ち上げ、前髙橋義弘会⾧年度より「Local and Globalな視点」を持ちながら実施している「美蓄食への取り組み」を料理の研鑽を実施しながら、さらに発展させていく所存であります。

「美畜食」のように、「美味しくて⾧期保存可能な京料理の商品」を多種類開発する事により、京料理の新たな発信力が強まるという将来的な明るい展望も見据えることができます。 またこれらの基盤整備の上でも、業界のGlobal Standardにおいて、最大の課題とも言えるのが「京料理界の担い手である人財の不足」であります。この問題を解消するためには、以前より実施している「全国の調理師専門学校からの京都への人財誘致事業」を国内だけにとどまらず海外の料理人受け入れ事業としても積極的な取り組みを図り、「人財」を揃えた上で、よりGlobalな視野を踏まえた上での「教育カリキュラム」を整備し、人財の多様化及び定着性向上という意味で革新していく必要性があると考えます。

この2年間において様々な事業が実施されますが、これらのキャッチフレーズとして「Global Standard」という基本理念を持ちつつ、世界に通用する「京都料理芽生会」を会員の皆様や関係各位と共に作り上げ、これまで先輩諸兄より培った「会員相互の料理の研鑽と親睦を図る事」を基に京料理の発展並びに伝統と格式ある京都の食文化の振興に貢献して、京都を中心に全国の料理業界活性化に繋がる2年間として、私自身精一杯邁進努力していく所存でございますので、何卒ご協力をお願い申し上げます。

京都料理芽生会
会長 佐竹洋治

思い:歴史を糧に未来に向かう 「いまではなく、未来に何を残すか」
京都料理芽生会は、2013(平成25)年にユネスコ無形文化遺産に登録された和食文化の普及を担う当事者として、京料理ならではの品格と伝統を守りながらも、斬新さを追究していく挑戦的姿勢を現在でも大切にしている。その活動は創立から今日まで、時代によってさまざまに変化してきたが、料理研究と会員相互の親睦を重ねる目的は一貫しています。
先人から営々と受け継がれてきた京の食文化を次世代へも共有財産として繋げると同時に、京料理、ひいては和食文化の発展に寄与するため、国内のみならず世界に向けて和食の素晴らしさをこれからも発信してまいります。
京都料理芽生会 歴代会長

発起人代表 辻重光(中村楼)
初代 北村多造(いもぼう平野家本家) (昭和30年7月~昭和55年6月)
第2代 髙橋昌美(祇園 新三浦) (昭和55年7月~昭和57年6月)
第3代 古川隆三(渡月亭) (昭和57年7月~昭和59年6月)
第4代 小西重義(萬亀楼) (昭和59年7月~昭和61年6月)
第5代 髙橋英一(瓢亭) (平成61年7月~平成2年6月)
第6代 園部平八(山ばな平八茶屋) (平成2年7月~平成4年6月)
第7代 北村眞純(いもぼう平野家本家) (平成4年7月~平成6年6月)
第8代 佐竹力総(美濃吉) (平成6年7月~平成8年12月)
第9代 廣谷和仁(貴船 ひろや) (平成9年1月~平成10年12月)
第10代 中路剛(嵐山温泉 嵐峡館) (平成11年1月~平成12年12月)
第11代 村田吉弘(菊乃井) (平成13年1月~平成14年12月)
第12代 栗栖熊三郎(たん熊本家) (平成15年1月~平成16年12月)
第13代 栗栖正博(たん熊北店) (平成17年1月~平成18年12月)
第14代 荒木 稔雄 (魚三楼) (平成19年1月~平成20年12月)
第15代 藤谷宏徳(ふじや) (平成21年1月~平成22年12月)
第16代 三好徹(ぎをん梅の井) (平成23年1月~平成24年12月)
第17代 中東久人(美山荘) (平成25年1月~平成26年12月)
第18代 髙橋拓児(木乃婦) (平成27年1月~平成28年12月)
第19代 田村 圭吾 (萬重) (平成29年1月~平成30年12月)
第20代 園部 晋吾 (山ばな平八茶屋) (平成31年1月~令和2年12月)
第21代 磯橋 輝彦(嵐山辨慶) (令和3年1月~令和4年12月)
第22代 髙橋義弘(瓢亭) (令和5年1月~令和6年12月)
第23代 佐竹洋治(美濃吉) (令和7年1月~)